再受験医師の社説比較

司法浪人から医学部再受験し、地方国立大学を卒業しました。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】代表質問、いじめ増加、航空会社の経営、ベラルーシ情勢

各紙の比較

  読売、朝日、毎日が国会の代表質問を、毎日と産経がいじめ増加をとりあげた。その他読売が航空会社の経営悪化、朝日が米大統領選挙、産経がベラルーシ大統領選をめぐる混乱をとりあげた。代表質問、いじめ増加について論調を比較する。また、航空会社の経営とベラルーシ情勢について情報を追加する。

 

 

代表質問

 10月28日より、菅首相所信表明演説に対する与野党の代表質問が始まった。読売がやや政権寄りながらフラットな立ち位置である一方で、朝日・毎日は政権に批判的だ。

 

読売は、社会保障・コロナ下の経済対策・学術会議問・憲法改正の4点について論戦を紹介した。

 社会保障では、菅首相が『「自助、共助、公助」を掲げ、自助努力の重要性を唱えている』のに対し、立憲民主党の枝野代表は『保育士の賃上げや、保健所などの職員増』など『社会保障や雇用などの予算を充実させ』る考えを示した。

 コロナ下の経済対策では、『枝野氏は時限的な措置として、年収1000万円以下の所得税免除や、消費税の減免などを訴えた』。これに対し首相は、『所得税の免除は低所得者に効果が及ばず、消費税は社会保障のために必要な財源だ」』と反論した。読売は、枝野氏が『財源を示さず、大規模な減税まで主張するのは安易』と批判し、税収増の構想を示すよう求めた。

 学術会議人事問題について首相は『「人事に関することで、答えは差し控える」』と述べたうえで、『「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りがみられる」』との見解を示した。読売は、『「政府が行うのは形式的任命」という過去の政府答弁と整合性が取れてはいまい』と批判した。

 憲法改正について、自民党野田聖子氏は『憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の早期成立を求めた』。読売はこれに賛同し、『衆参の憲法審査会で議論し、速やかに成立させるべきである』とした。

 

朝日は、学術会議人事問題・前政権の「負の遺産」・めざす社会像や理念の不在について菅首相を批判した。

 学術会議人事問題について、首相は『「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動」を実現するために判断した』、『「多様性」の確保が念頭にあった』と語った。朝日は『後付けのような説明』と切り捨てた。

 前政権での森友・加計問題や桜を見る会、公文書管理問題について、首相はこれまで通り、説明に消極的だ。朝日は『負の遺産」に向き合う気がない』と批判した。

 めざす社会像や理念について、枝野氏は『競争や効率を重視する新自由主義』にかわり『政治と行政が支え合いの役割を果たす「共生社会」の実現を訴えた』。これに対し首相からの反論はなく、朝日は首相が『大局観に欠ける』と批判した。

 

毎日は学術会議人事問題、森友・加計問題、社会像について朝日と同じく首相の説明不足を批判した。

 自民党野田聖子氏が『女性の社会進出の遅れなどをただした』のに対して、首相は『選択的夫婦別姓の導入について「国会の議論を注視しながら検討する」とかわした』。毎日は首相自身の考えを示すよう求めた。

 

 

いじめ増加

 いじめ増加については10月23日の読売がすでにとりあげているが、なぜかこのタイミングで毎日と産経が同時にとりあげた。昨年度の学校でのいじめは過去最多の61万件、命にかかわるなどの「重大事態」は723件とそれぞれ増加している。

 

 コロナ下で医療従事者の子どもがいじめられる問題について、各紙共通してとりあげたが、具体的な対策を打ち出すまでには至っていない。社説にそこまで求めるのは過大な期待だろうか。

 

 毎日によると、『都道府県・政令市ごとに児童生徒1000人当たりのいじめ把握件数を見ると、最大で20倍以上の開きがある』。実際の発生件数が異なるのみならず、『調査の手法や、どういう行為がいじめにあたるかという現場の認識の違い』がある可能性を指摘されている。毎日は、新潟市が行う子どものアンケートで、『「靴を隠された」「嫌なあだ名をつけられた」など、いじめの具体的な例を示し、子どもに回答させている』ことを紹介し、他の自治体にも共有すべきとした。

 また、「重大事態」が起きた際には、教育委員会や学校が設ける「第三者委員会」が調査に当たることになっている。しかし、被害者側が調査結果に納得しないことが増えており、『昨年度、首長の判断で再調査が必要になったのは14件と過去最多』だという。

 

 産経は、『いわゆる「ネットいじめ」が1万8千件近く』、『26年度と比べ、この5年で2倍以上になっている』ことに着目し、『いじめ防止対策推進法でネット上の中傷はいじめと定義されている』ことを教えるべきとした。 

 

 

航空会社の経営

 読売によると、ANAホールディングスの国際線の運航は『前年比で9割減』で、『2021年3月期連結決算の最終利益が、過去最悪となる5100億円の赤字に陥る見通し』という。『日本航空(JAL)も、21年3月期に2000億円を超える赤字』を予定している。

 

 

ベラルーシ情勢

 ベラルーシ情勢はさらに悪化している。産経によると、『26日には、反体制派が呼びかけるゼネストの試みが始まった』のに対し、『政権は治安部隊を企業に送り込むなど就業拒否を阻止しようと躍起になっている』という。『8月9日の大統領選以降に拘束されたデモ参加者は、のべ約1万6千人』と凄まじい規模の大きさだ。

 

 欧米諸国はルカシェンコ政権に批判的で、欧州連合(EU)や米国などはベラルーシに制裁を発動し、『欧州議会は、人権や民主主義の擁護活動をたたえるサハロフ賞を、ベラルーシ反体制派に授与することを決めた』。

 

 いっぽうロシアは政権支援側で、『ベラルーシへの15億ドル(約1600億円)の融資を決め、ベラルーシで合同軍事演習を行って』いるとのこと。

 


Q&A

Q.都道府県・政令市ごとに児童生徒1000人当たりのいじめ把握件数を見ると、最大で□倍以上の開きがある。実際の発生件数が異なるのみならず、調査の手法や、どういう行為がいじめにあたるかという現場の認識の違いがある可能性を指摘されている。

A.20

 

Q.いじめによる「重大事態」が起きた際には、教育委員会や学校が設ける「□」が調査に当たることになっている。しかし、被害者側が調査結果に納得しないことが増えており、2019年度、首長の判断で再調査が必要になったのは□件と過去最多だ。

A.第三者委員会、14

 

Q.2019年度のいわゆる「ネットいじめ」が□件近く、26年度と比べ、この5年で□、倍以上になっている。□法でネット上の中傷はいじめと定義されている。

A.1万8千、2、いじめ防止対策推進

 

Q.ANAホールディングスの2021年3月期連結決算の最終利益は、過去最悪となる□円の赤字に陥る見通しで、国際線の運航は前年比で□割減という。日本航空(JAL)も、21年3月期に□円を超える赤字を予定している。

A.5100億、9、2000億

 

Q.欧州議会は、人権や民主主義の擁護活動をたたえる□賞を、ベラルーシ反体制派に授与することを決めた。

 A.サハロフ


リンク

読売:

代表質問 国の針路を大局的に論じよ : 社説 : 読売新聞オンライン

航空会社の経営 構造改革で苦境を克服したい : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)米大統領選 国際秩序を占う岐路だ:朝日新聞デジタル

(社説)国会代表質問 「建設的」には程遠い:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:増える深刻ないじめ 早期把握へ体制の強化を - 毎日新聞

社説:代表質問への首相答弁 議論を恐れているのでは - 毎日新聞

産経:

【主張】いじめ最多 心の中に棲む「鬼」を断て - 産経ニュース

【主張】ベラルーシ大統領 居座りは大きな代償払う - 産経ニュース

【社説比較】温室効果ガスゼロ宣言

各紙の比較

  毎日と産経が温室効果ガスゼロ宣言をとりあげた。その他読売が核兵器禁止条約と携帯料金引き下げ、朝日が金融システムと食品ロス削減、毎日が読書週間についてとりあげた。昨日の朝日も含め、温室効果ガスゼロ宣言についての論調を比較しておく。

 

 

温室効果ガスゼロ宣言

 菅首相所信表明演説の中で、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすると宣言した。実質ゼロとは『排出量と森林などの吸収量が釣り合う状態』である(毎日)。『地球温暖化対策の国際ルール・パリ協定の下、産業革命以降の気温上昇を1・5度に抑える』ために、『すでに120カ国ほどが「50年に実質ゼロ」を掲げている』(朝日)。今回の宣言は、脱炭素の世界的な流れを受けたものだ。朝日・毎日・産経の3紙はこの方向性におおむね同意しつつも、具体策についての考え方は異なる。

 

 朝日は、『首相が革新的イノベーションの必要性を強調している点』に懸念を示した。『二酸化炭素の回収・貯留・有効利用、水素やアンモニアによる発電』は歳出削減に役立つが、現時点では『普及の時期が不確かな技術』だ。これらに頼ることなく、『術開発がなくても取り組むことができる対策』にまず取り組むべきだという。

 具体的には、『石炭火力からの撤退を決め、化石燃料による発電を減らし、再エネを大幅に拡大する』こと、そのための『炭素税排出量取引の導入』、『再エネを中心とする電源構成への転換や、送電システムの改革』などを示した。

 また、首相が演説の中で『エネルギーの安定供給のため「安全最優先で原子力政策を進める」と述べ』たことにつき、『事故リスクや経済合理性を踏まえれば、将来は原発ゼロをめざすべきだ』と批判した。

 

 毎日は、全体的に朝日と同様の論調だが、周辺知識が充実している。一方で、主張に対する理由付けは弱い。

 現状日本では『電力の8割近くを、化石燃料を燃やす火力発電に依存している。太陽光や水力、風力といった再エネは2割に満たない』。再生可能エネルギーは増加傾向で、『エネルギー基本計画では、30年度の再エネ比率を22~24%と定める』が、毎日はこれでは不十分とする。

 原発については『重大事故のリスク』を協調し、『安全確保のための費用は膨大で、「安価なエネルギー」という考えは世界的に通用しない』と否定的だ。

 また、『欧州では、新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ経済を、環境への投資で復活させる「グリーンリカバリー(緑の復興)」が盛んだ』という。この考え方にのっとり、『再エネ技術の改良、水素エネルギーや二酸化炭素回収・貯蔵といった研究開発』を勧めた。

 さらに、『温室効果ガスの排出量に応じて課金する「炭素税」の議論に加えて、地球温暖化対策推進法に今回の目標を明記すること』など、実質ゼロを実現するための方策を提案した。

 

 産経は、再生可能エネルギーに頼ることの経済面の影響を憂慮し、原発の利用に肯定的である。

  産経によると首相は、『技術革新を通じて温暖化対策と経済成長が両立し得る「グリーン社会」を実現しようとしている』。『CO2を化学素材や燃料として再利用するカーボンリサイクル』や『人工光合成の実用化』が含まれる。産経は、これらの実現のためにも『安価で安定した電力の確保が必要』が必要であることを強調し、原発再稼働の推進を促した。

 また、太陽光発電は『大面積で山林を切り払い、生物多様性を脅かす』として批判した。石炭火力発電削減も『エネルギーの多様性を損なう』と懐疑的だ。

 その他、宣言に至るまでの国際的な流れも解説されており、一読に値する。

 

 

 

Q&A

Q.欧州では、新型コロナウイルスの流行で落ち込んだ経済を、環境への投資で復活させる「□」が盛んだ。

A.グリーンリカバリー(緑の復興)

 

Q.菅首相は、技術革新を通じて温暖化対策と経済成長が両立し得る「グリーン社会」を実現しようとしている。CO2を化学素材や燃料として再利用する□や人工光合成の実用化が含まれる。

 A.カーボンリサイクル


リンク

読売:

核兵器禁止条約 安全保障の観点が欠けている : 社説 : 読売新聞オンライン

携帯料金改革 大手3社はどう進めるのか : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)金融システム 経済の安定を保つ責務:朝日新聞デジタル

(社説)食品ロス削減 飽食の国ですべきこと:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:コロナ下の読書週間 生き方を見つめる機会に - 毎日新聞

社説:温室ガス「50年ゼロ」 脱原発と両立する戦略を - 毎日新聞

産経:

【主張】温室ガスゼロ宣言 国益と地球益の両立図れ - 産経ニュース

【社説比較】菅首相所信表明演説

各紙の比較

 4紙ともに菅首相所信表明演説をとりあげ、毎日と産経は核兵器禁止条約をとりあげた。その他読売が活字文化の日、朝日が脱炭素をとりあげた。所信表明演説に関する社説を比較する。

 

 核兵器禁止条約については、毎日は積極的、産経は懐疑的だ。

 

 

菅首相所信表明演説

 10月26日、菅首相が国会で所信表明演説を行った。コロナ対策、行政のデジタル化、携帯電話料金の引き下げ、不妊治療への保険適用、温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにする目標、「自由で開かれたインド太平洋」構想などについて語られた。読売はこれらの内容について個別に評価し、具体策のより詳しい説明を求めた。いっぽう朝日・毎日・産経は、演説で語られなかった問題に着目し、政権の理念や国家間が欠如していることを批判した。

 

 読売は、演説の項目それぞれに短いコメントをつけて評価している。

 行政のデジタル化は『経済や社会のデジタル化を促進する効果』がある一方で、『国民生活にどのような恩恵があるのか、想像しにくい』ため、『費用対効果を含めて、改革の全体像を国民にわかりやすく説明する必要がある』とした。

 温室効果ガス削減の『目標達成は簡単ではない』ため、『政府は、具体策を早期に提示すべきだ』とした。

 「自由で開かれたインド太平洋」構想については、『米中対立が激しさを増す中、国際秩序の維持に向けて、一層の外交努力が不可欠』と一般論を述べるにとどまった。

  その他の施策について『実現に向けた手順が曖昧なものも少なくない』こと、『人口減少対策や社会保障制度改革』について語られなかったことには不満を示し、『国会論戦では、より説得力のあるメッセージを発信してほしい』と要求した。

 

 朝日は、演説の『大半は前政権からの継承』と『首相が自民党総裁選時から訴えてきた諸施策の説明』であり、『全体を貫く理念や社会像の提示は十分とはいえない』と不満を示した。また、学術会議人事問題と核兵器禁止条約について語られなかったことを指摘した。

 学術会議人事問題については、『首相が真に現状に課題があり、改革が必要だと考えるのであれば、まさに所信表明の中で、堂々とその根拠を示せばよい』として、首相に改革の理由がないことを示唆した。

 核兵器禁止条約については、『批准国の数が要件を満たしたのは直前のことで、演説の中身がほぼ確定した後だった』として理解を示しつつも、『新たな事態に即応し、自らの考えを示すべきではなかったか』と不満を示した。

 

 毎日全体の政策を貫く基本理念や国造りのビジョンを示さなかった』ことに不満を示し、各政策が『首相が目指す社会像とどう結びつくのか』についてさらなる説明を求めた。

 学術会議人事問題について、『政治が科学を都合良く利用しようとしているというのが問題の本質』であり、『学術会議の組織や運営のあり方を持ち出して議論のすり替えを図るのではなく、任命しなかった理由や経緯を説明すべきだ』と朝日よりも直接的に批判した。

 

 産経も『意欲的に政策を語ったが国家観にかかわる大局的な問題があまり語られなかったのは残念』としており、朝日・毎日と同様だ。もっとも、「大局的な問題」の中身は異なる。

 まず、中国との関係においては、『中国は尖閣諸島沖縄県)をねらうなど日中関係は正常な状態にはない。自由と民主主義を掲げる台湾と中国の関係も悪化の一途をたどっている。中国共産党政権による香港やウイグルの人々への人権弾圧も深刻だ』と問題を列挙し、これらについて首相が語る必要があるとした。

 また、安全保障について『「イージス・アショアの代替策や抑止力の強化」の方策をまとめると表明したのは妥当だ』と評価しつつも、『中国海警局公船が長期にわたり徘徊(はいかい)や領海へ侵入している尖閣問題への言及はなかった』ことに不満を示した。

 学術会議人事問題について政府を批判してはいないが、『従来の形式的な任命から方向転換した理由や、同会議が軍事科学研究を忌避する声明を出して安全保障の充実を妨げてきた問題を改革するのかどうか』について説明を求めた。

 


Q&A

 なし


リンク

読売:

所信表明演説 活力回復へ実行力が問われる : 社説 : 読売新聞オンライン

活字文化の日 読書の大切さを再認識しよう : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)初の所信表明 国民の胸に響いたか:朝日新聞デジタル

(社説)50年に脱炭素 目標実現の戦略を示せ:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:核禁止条約発効と日本 もはや背は向けられない - 毎日新聞

社説:菅首相の所信表明演説 大事な説明を欠いている - 毎日新聞

産経:

【主張】所信表明演説 国家観示し指導力発揮を - 産経ニュース

【主張】核兵器禁止条約 廃絶と安全につながらぬ - 産経ニュース

【社説比較】米軍駐留経費(思いやり予算)、核兵器禁止条約

各紙の比較

  読売が米軍駐留経費(思いやり予算)とJR終電繰り上げ、朝日が核兵器禁止条約、毎日が東海大野球部の大麻使用と郵便法改正案、産経がアメリカの小惑星探査機と持続化給付金不正受給をとりあげた。米軍駐留経費と核兵器禁止条約についてごく簡単に記しておく。

 

 

米軍駐留経費(思いやり予算

 在日米軍駐留経費(思いやり予算)の新協定について、日米実務者協議が開始された。前回は2016年度から5年間の取り決めだったが、新型コロナウイルスの影響もあり、今回は1年間の暫定合意になる可能性もあるという。

 

 読売によると、思いやり予算は『隊舎などの施設整備費のほか、労務費、光熱水費が柱』で、『今年度予算は1993億円』だ。だがアメリカは増額を要求しており、ボルトン大統領補佐官の著書によると『昨年来日した際、日本側に現在の4倍の負担を求めた』という。

 

 日本は現時点で、思いやり予算のほかにも『海兵隊の米グアムへの移転費』などを支出し、『地位協定の範囲を超えて分担』している。『基地経費にかかわる日本の負担割合は7割を超え、米国の同盟国の中で、最も高い』。

 

 読売は思いやり予算の必要性を認めつつも、『これ以上の大幅な増額は難しい』として、政府に交渉を求めた。

 

 

核兵器禁止条約

 核兵器禁止条約の『批准を終えた国・地域が24日、規定の50に達し』、『来年1月22日に発効する』こととなった。朝日はこの条約を高く評価し、批准しない日本政府を強く批判している。抑えておくべき知識としては、この条約が『核兵器の開発や製造、保有、使用、さらに威嚇まで禁じる』という点だろうか。


Q&A

Q.在日米軍駐留経費(思いやり予算)は隊舎などの施設整備費のほか、労務費、光熱水費が柱で、2020年度予算は□円だが、アメリカは増額を要求している。

 A.1993億

 

Q.日本は現時点で、思いやり予算のほかにも海兵隊の米グアムへの移転費などを支出し、地位協定の範囲を超えて分担している。基地経費にかかわる日本の負担割合は□割を超え、米国の同盟国の中で、最も高い。

A.7

 

Q.核兵器禁止条約は、核兵器の開発や製造、保有、使用、さらに□まで禁じる。

A.威嚇

 


リンク

読売:

米軍駐留経費 同盟の信頼踏まえて交渉せよ : 社説 : 読売新聞オンライン

終電繰り上げ 乗客の利便性を損なわぬよう : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)核禁条約発効へ 日本も参画へ姿勢改めよ:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:大学運動部の大麻使用 「規範意識」育てる指導を - 毎日新聞

社説:郵便サービスのあり方 利便性維持の戦略が必要 - 毎日新聞

産経:

【主張】米国版「はやぶさ」 協調と競争で前進を図れ - 産経ニュース

【主張】給付金の不正 事後点検の仕組み強化を - 産経ニュース

【社説比較】介護を担う子供、タイ情勢、オンライン診療

各紙の比較

 読売が国連と介護を担う子供、朝日が学術会議問題と税制改正、毎日が介護現場の感染対策とタイ情勢、産経がオンライン診療と中国の北朝鮮援助についてとりあげた。介護を担う子供とオンライン診療についてまとめる。また、タイ情勢の前提情報としてタイの選挙制度について確認しておく。

 

 国連についての読売社説は、国連が米中などの『覇権争いの道具』になるなど、本来の役割を果たせていないことを憂慮した。コロナ対策、人権委員会組織改革、安保理改革などに言及しており、論旨が明快でわかりやすい。

 

 

介護を担う子供

 介護問題といえば、介護者の高齢化や介護職の待遇の悪さがよくとりあげられ、今日の毎日社説もその流れの中にある。読売は視点を変えて、『家族の介護を優先せざるを得ず、学校生活に支障が出る子供がいる』という問題を論じた。

 

 この問題の背景にあるのは、『高齢化が進む中で、共働きの家庭が増え、大人だけでは十分なケアができなくなっている』ことだという。『同様の課題に直面した英国は、介護を担う18歳未満の人を「ヤングケアラー」と法的に位置づけて調査を行い、支援している』が、『日本では、そうした子供の人数やケアの内容などが詳しくわかっていない』。そのため『厚生労働省は、家族の世話を日常的に担っている子供たちの現状について、全国の高校などを対象とした調査を実施する方針』という。

 

 また自治体レベルでは、埼玉県が『全国で初めての「県ケアラー支援条例」』の中で、『18歳未満については特に「適切な教育機会」を確保するという基本理念を掲げ、今後、具体的な支援策をまとめる』という取り組みをしている。他の自治体や国の参考になるだろう。

 

 

タイ情勢

 タイの反政府デモは続いており、状況は著変ないようだ。これまで各紙が報じた中に、「軍に有利な選挙規定」について言及があったが、その詳細は示されていなかった。

 

 毎日によると、『上院の250議席はすべて軍の指名』のうえ、『下院の500議席は選挙で選ばれるが、150議席ある比例代表で中小政党が優遇される仕組みになっている。軍部の対抗勢力となる大政党の出現を阻むのが狙いである』とのことだ。

 

 

オンライン診療

 産経によると、『田村憲久厚生労働相河野太郎行政改革担当相、平井卓也デジタル改革担当相が、安全性と信頼性の確保を前提に、初診を含めて原則解禁することで合意した』という。

 

 これまでにもオンライン診療は部分的に認められていた。『厚労省は平成30年度の診療報酬改定でオンライン診療を「解禁」したが、適用する対象疾患を限定し、対面診療と組み合わせる頻度を詳細に決めるなど使い勝手が悪かった』。コロナ下の現在は、『医師が患者から新型コロナに感染したり、患者が待合室で感染したりするのを防ぐ』ために、『特例的に、電話やタブレット端末などを使ったオンライン診療を初診から認めている』。これを恒久的な制度にするのだが、『初診の電話診療は含めない』ようだ。

 

 患者の利便性向上が期待されるが、『日本医師会は、初診にオンライン診療を使うことにはリスクがあるとして』おり、制度の詳細は今後検討されるであろう。


Q&A

 Q.高齢化が進む中で、共働きの家庭が増え、大人だけでは十分なケアができなくなっている。英国は、介護を担う18歳未満の人を「□」と法的に位置づけて調査を行い、支援しているが、日本では、そうした子供の人数やケアの内容などが詳しくわかっていない。

A.ヤングケアラー


リンク

読売:

国連創設75年 多国間協調の基盤を立て直せ : 社説 : 読売新聞オンライン

介護を担う子供 過重な負担には支援が必要だ : 社説 : 読売新聞オンライン

毎日:

社説:混迷深めるタイ情勢 若者の声に耳を傾けねば - 毎日新聞

産経:

【主張】オンライン診療 事例共有し恒久化進めよ - 産経ニュース

【社説比較】同性カップル、選択的夫婦別姓

各紙の比較

 読売が米大統領線と東証立ち入り検査、 朝日が同性カップル税制改正、毎日が陸上イージスの代替案と選択的夫婦別姓、産経が鬼滅の刃と日英EPAをとりあげた。同性カップル、選択的夫婦別姓の情報を確認しておく。

 

 米大統領についての読売社説は、トランプ大統領のコロナ無策を強く批判するものだ。実質的にバイデン支持と言っていい。

 

 日英EPAは、『日本と欧州連合(EU)のEPAの内容を基本的に踏襲したもの』だとのこと。産経はこれに加えて、対中国の日英連携などに触れている。

 

 鬼滅の刃はご愛嬌だが、わかりやすい記事だった。

 

 

同性カップル

 朝日は足立区議が同性愛者差別発言を撤回したことを受けて、同性カップルの社会的実体について論じた。

 

 朝日によると、LGBTなど性的少数者は『人口の3~8%にのぼるとの調査がある』。『同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」』は60の自治体で導入され、12が検討中だという。もっとも、国レベルでは情報が限られている。

 

 朝日はその対策として、国勢調査の活用を提案した。現在の国勢調査では、同性パートナーとみられる同居者は『続き柄を「他の親族」に変更』されており、『おじ、おば、いとこなどと同じ』扱いという。朝日はプライバシーの問題が生じる可能性に言及しつつも、『少なくとも、こうした修正が何件あったかを公表し、調査手法の改善に生かしていくべき』と提案した。

 

 

選択的夫婦別姓

 毎日によると、選択的夫婦別姓について3件の高裁判決が出された。選択的夫婦別姓についての判例として、『最高裁は2015年、「社会の基礎となる家族の呼称として、姓を一つに定めることには合理性がある」と合憲判断を示している』。今回の判決はこれを踏襲したもので、別姓を認めない現行民法の規定が合憲と判断した。

 

 日本では『夫婦の96%が夫の姓を選んでいる』が、国民の意識や社会のサポート体制は徐々に別姓容認に向かっているようだ。意識面では、『17年の内閣府世論調査で、同姓か別姓か選べる選択的夫婦別姓に42%が賛成し過去最高』となり、『姓が違っても家族の一体感に影響はないと考える人は64%に上る』という。社会面では、『官庁や多くの企業で、通称として結婚前の旧姓で働けるようになってきた』こと、『住民票やマイナンバーカード、運転免許証に旧姓の併記が認められた』ことが紹介されている。

 

 国際的には、『日本以外に夫婦同姓を義務づける国はない』というのは驚いた。『国連の機関は繰り返し、是正を勧告している』とのことだ。

 


Q&A

 Q.LGBTなど性的少数者は人口の□~□%にのぼるとの調査がある。同性カップルの関係を公的に認める「パートナーシップ制度」は60の自治体で導入され、12が検討中だという。

A.3、8

 

Q.現在の国勢調査では、同性パートナーとみられる同居者は続き柄を「□」に変更されており、おじ、おば、いとこなどと同じ扱いという。

A.他の親族

 

Q.選択的夫婦別姓についての判例として、最高裁は2015年、「□として、姓を一つに定めることには合理性がある」と合憲判断を示している。

A.社会の基礎となる家族の呼称

 

Q.日本では夫婦の□%が夫の姓を選んでいるが、国民の意識や社会のサポート体制は徐々に別姓容認に向かっているようだ。意識面では、17年の内閣府世論調査で、同姓か別姓か選べる選択的夫婦別姓に□%が賛成し過去最高となり、姓が違っても家族の一体感に影響はないと考える人は□%に上るという。

A.96、42、64


リンク

読売:

米大統領選 やはりコロナが最大の争点だ : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)同性カップル 実態知り政策につなげ:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:選択的夫婦別姓の導入 立法府が行動するときだ - 毎日新聞

産経:

【主張】日英EPA署名 TPP加盟を後押しせよ - 産経ニュース

【社説比較】いじめ最多、エネルギー基本計画、英EUの通商交渉

各紙の比較

 読売が米グーグル提訴といじめ、朝日がロシアのサイバー攻撃とエネルギー計画、毎日が女川原発再稼働と英EUの通商交渉、産経が外資の土地取得と女子医大病院の医療事故をとりあげた。いじめ、エネルギー計画、英EUの通商交渉について簡単にまとめる。

 

 グーグル提訴については、おおむね昨日の2紙と同じ内容だが、読売は細かい数字を入れておりわかりやすい。この件で1紙だけ読むなら読売だろう。

 

 

いじめ最多

 読売によると、『2019年度に全国の小中高校などで確認されたいじめは61万件を超え』ており、『前年度より7万件近く増え、小学校での増加が顕著』とのこと。『文科省は「冷やかし、からかいなどの初期段階から積極的に認知した結果」と分析している』という。しかし、『心身への被害や長期の不登校を招いた「重大事態」が、前年度より121件増え、最多の723件となった』ことや、『自殺した子供も10人いる』ことをみると、歓迎できる結果ではないだろう。

 

 文科省は対策として、『カウンセラーやソーシャルワーカーの配置に加え、相談窓口の拡充も進め』ることで迅速な対応を推進している。今後は『いじめが起こらないような生徒指導も学校現場に求めていく』という。

 

 

エネルギー計画 

 経済産業省が新しいエネルギー基本計画の議論を始めたことを受けて、朝日はエネルギー構成の現状を紹介し、計画の見直しを求めた。

 

 再生可能エネルギーは増加傾向だ。『国際エネルギー機関(IEA)が集計した今年1~6月の国内の電源別発電量の速報値で、再エネは前年より2割増え』ており、『割合では23%と30年度目標の範囲に達している』。『コロナ禍による経済低迷で総発電量が減ったこと』も原因とされている。

 

 また世界的に脱炭素化の潮流がある。『50年までに二酸化炭素排出の実質ゼロ達成に賛同した国・地域は120を超えた』という。日本でも、『梶山弘志経産相は7月、非効率な旧式石炭火力を30年にかけて段階的に減らす方針を表明。洋上風力を推進する官民協議会も発足させた』。

 

 

EUの通商交渉

 イギリスは今年1月にEUを離脱したが、『年末までは加盟国と同等に扱われる移行期間とされ、自由貿易協定を結ぶ交渉をしてきた』。しかし、毎日によると交渉は難航しているという。

 

 争点としては、企業向け補助金の使途や『好漁場で知られる英国海域の漁業権』があるという。『欧州の自動車業界は決裂時の損失が約13兆円にも上ると試算』するなど、交渉が決裂した場合の影響は甚大だ。

 


Q&A

Q.2019年度に全国の小中高校などで確認されたいじめは□件を超えており、前年度より7万件近く増え、小学校での増加が顕著。心身への被害や長期の不登校を招いた「□」は、前年度より121件増え、最多の723件となった。自殺した子供も10人いる。

A.61万、重大事態

 

Q.国際エネルギー機関(IEA)が集計した2020年1~6月の国内の電源別発電量の速報値で、再エネは前年より2割増えており、割合では□%と30年度エネルギー基本計画の目標の範囲に達している。コロナ禍による経済低迷で総発電量が減ったことも原因とされている。

A.23


リンク

読売:

米グーグル提訴 競争阻害の実態解明できるか : 社説 : 読売新聞オンライン

いじめ最多 子供の小さな異変を見逃すな : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)エネルギー計画 電源構成見直し大胆に:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:英EUの通商交渉 世界の混乱避ける努力を - 毎日新聞