再受験医師の社説紹介ブログ

医学部再受験し、地方国立大学を卒業しました。 毎日全国紙の社説のうち、面白そうなものを紹介します。 各紙の話題が共通している場合は、内容を比較します。

【社説比較】COP26、途上国の債務など

各紙の比較

 朝日と産経がCOP26をとりあげた。その他読売が「途上国の債務/ガソリン高騰」、朝日が「衆院選と対ロ外交」、毎日が「科学立国/台湾半導体大手の誘致」、産経が「プロ野球下剋上」をとりあげた。

 

 COP26について論調を比較する。途上国の債務について現状を確認する。

 

 

 

COP26

 『国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)があす、英グラスゴーで始まる』。岸田首相も参加する。

 気候変動は喫緊の課題で、『8月には、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)が、温暖化は人間の影響だと「疑う余地がない」と断言する科学的根拠を示した報告書を公表。気温上昇は40年までに「1・5度」に達する見通しを示し、熱波や干ばつ、豪雨など気象への影響も強調した』(朝日)。

 

 朝日によると、『温室効果ガスの排出削減に向けた対策強化で、どこまで合意できるかが焦点だ』という。世界的な削減手段のひとつとして、『途上国への省エネ支援による排出削減分を自国の削減分として算入できるようにするなどの「市場メカニズム」と呼ばれる仕組みの具体化もテーマとなる』。

 

 『議長国の英国は石炭火力発電の利用停止で強い姿勢を示している』が、日本はそこまでの姿勢に至っていない。『日本閣議決定したばかりのエネルギー基本計画で、30年の電源構成で石炭火力を19%に抑えるとした』が、『欧州では廃止時期を打ち出す国が相次いで』いる。

 

 朝日は、『地球規模では排出量が1位の中国、3位のインド、4位のロシアの大幅削減が欠かせない』ことに触れつつ、『これらの国などに行動を促すためにも、日本はG7の一員として足並みをそろえるべき』と、日本も温室効果ガス排出量のさらなる削減をするよう求めた。

 

 

 産経は対照的に、現在の温室効果ガス削減目標ですら『日本の実情に照らすと高すぎる』として、これ以上の目標上積みをしないよう求めた。『わが国は世界に先駆けて省エネを進めてきたため、削減余地が乏しいことなどを参加する約120カ国・地域の首脳に、しっかり説明すべき』という。

 

 具体的には、『世界全体の30%に迫る二酸化炭素を排出している中国に対し、日本の排出量はその10分の1にすぎない』こと、『日本は英国とエネルギー環境が異なる』ことなどを理解させよという。

 

 また、日本の次世代原発「高温ガス炉」』について、『カーボンニュートラルの実現に向けて、日本が最適の技術を保有していることを岸田氏はCOP26の国際舞台で披露すべき』として売り込みを求めた。

 

 

 

途上国の債務

 読売によると、『中国の途上国への貸し付けが膨張している』。『中国は巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げ、インフラ整備を通じて途上国への影響力の拡大を図っている』ことの現れだ。

 

 『世界銀行は、低・中所得国の中国に対する債務が、2020年末で約1700億ドル(約19兆円)に上るとの報告書を公表した』が、これは『11年末と比べて3倍以上』だ。

 

 しかし、公開されていない債務もあるという。『米国の研究機関が「一帯一路」絡みの融資を分析した結果、国際機関などに報告されない「隠れた債務」が、2000~17年に3850億ドルに達した』。

 

 契約の中身についても、問題が指摘されている。『開発融資では担保は必要ないが、中国は担保を求めるケースが多いという。他国の開発融資より金利が高く、返済期間は短い。汚職がはびこって、通常なら貸し付けが受けられない国にも貸しているとされる』。

 

 中国の姿勢について、『途上国を「借金漬け」にし、返済の代わりにインフラの使用権などの利益を得る「債務のわな」ではないかとの見方が各国から出ている』という。

 

 読売は、中国に適切な貸し出しと情報公開を求め、先進国側にも使いやすい支援の枠組みを作るよう求めた。

 

 

その他の話題

・既報の台湾半導体大手の工場誘致について、毎日は基本的には歓迎しつつも、『巨額の国費を投じるうえ、公正な競争を阻害しかねない』ことに懸念を示し、『民間主導で産業を再生する具体策に知恵を絞るべき』と求めた。

 

 

 

リンク

読売:

途上国の債務 透明性高め膨張を食い止めよ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

ガソリン高騰 産業や家計への打撃が心配だ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)気候変動会議 取り組み強化へ合意を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)衆院選 対ロ外交 失敗を認めて出直せ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:視点・総選挙 沈む科学立国 実利最優先から転換を=論説委員・永山悦子 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:台湾半導体大手の誘致 巨額支援の説明が必要だ | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】岸田首相COPへ 新たな技術で存在感示せ - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】プロ野球「下克上」 球界の活性化につなげよ - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。