再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】総裁選と原発など

各紙の比較

 朝日・毎日・産経が総裁選と原発をとりあげた。その他読売がEUの対中戦略、朝日がロシア下院選、毎日が五輪・パラの文化事業をとりあげた。

 

 総裁選と原発について論調を比較する。

 

 

 

総裁選と原発

 自民党総裁選で、原子力政策が議論されている。

 

 『脱原発を主張してきた河野太郎行政改革相は、当面は原発の再稼働を容認したうえで、核燃料サイクル政策については「なるべく早く手じまいすべきだ」と明言した』。

 

 対して、『他の3人は原発を動かしていく現状の政策を維持する姿勢で、公開討論会では河野氏の政策に疑問を投げかけた。岸田文雄政調会長は、核燃料サイクルをやめることと原発再稼働の整合性をただした。野田聖子幹事長代行は電力の安定供給に支障があってはならないと述べた。高市早苗総務相は小型炉や核融合炉の開発を推進する姿勢を示した』(朝日)。

 

 

 朝日は、『核燃料サイクルの破綻(はたん)を認めて撤退すべきだと主張』している。『確かに撤退すれば、使用済み燃料をゴミとして処分せざるをえなくなる。しかし、使うあてのないまま、核兵器の材料になるプルトニウムを持ち続けるのは、世界に不安を与えるだけだ』という。

 

 また、原発の利用そのものについても否定的だ。理由としてあげるのは、『東電の原発事故』で『炉心溶融した内部は全容がつかめておらず、廃炉終了は全く見通せない』こと、『原発の新増設も、国民や地元の理解を得るのは困難』であること、『開発中の小型炉や核融合炉も、実用化の時期は見えない』ことなどだ。

 

 

 毎日も、朝日ほどではないが反原発寄りだ。国民の不信は根強く、原発に依存するエネルギー政策は行き詰まっている。安全対策の費用が膨らみ、発電コストも上がっている』と指摘する。

 

 また、脱炭素化については『電力だけではなく、産業界全体の取り組みも迫られている』。代表的なのは『CO2の排出に応じて費用負担を求める「カーボンプライシング」』だが、『政治の動きは鈍い』という。

 

 そして、『脱炭素化は、再生エネなどの新たなビジネスを生む一方、暮らしや産業構造の転換という痛みも伴う。国民は一層の省エネを求められ、電気料金が上がる可能性も高い』として、脱炭素化に伴う国民負担の軽減策をも求めた。

 

 

 産経は明確な原発推進派で、核燃料サイクルも肯定している。

 

 河野太郎候補が核燃料サイクルに否定的なことについて、『再処理をせずに使用済み燃料をそのまま地下に埋める「直接処分」への変更を志向しているのかもしれないが、直接処分では処分場の大規模化が避けられない』、『天然ウラン並みのレベルに減衰するまでに、再処理処分に比べて10倍の100万年を要することになる』と指摘し、再処理処分の合理性を説いた。

 

 関連して、『次期エネルギー基本計画には、原発の新増設が書かれていない』ことを批判し、『これでは太陽光などの再生エネを拡大しても50年時点でのカーボンニュートラルも電力安定供給も望めない。計画には新増設の明記があるべきだ』と主張した。

 

 

 

その他の話題まとめ

読売によると、『EUが初めて「インド太平洋戦略」を策定した』。『戦略は、インド太平洋地域との緊密な貿易・投資関係の構築を優先課題としている』。

 

 戦略では中国について、『「インド太平洋地域で、民主主義的な原則が権威主義的な体制によって脅かされている」と指摘した』が、『中国との投資協定については、発効を目指すという基本姿勢を確認した』など、米国ほどの強硬姿勢ではないという。

 

 

 

リンク

読売:

EUの新戦略 対中関係の修正に動き出した : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

不動産経営危機 世界の市場に混乱を広げるな : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)総裁選と原発 現実踏まえた政策論を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)ロシア下院選 進む民主主義の形骸化:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:五輪・パラの文化事業 一過性にしない振興策を | 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:脱炭素と原発の今後 総裁選は議論深める契機 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】エネルギー政策 脱「脱原発」で脱炭素を 安定電源で国益守る新総裁に(1/2ページ) - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。