再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】米露首脳会談

各紙の比較

 朝日と毎日が米露首脳会談をとりあげた。その他読売が育児休業法改正、毎日がみずほ銀行の障害報告書、産経が新大西洋憲章/骨太方針をとりあげた。

 

 米露首脳会談について、読売と産経の過去記事も含め論調を比較する。

 

 

 

米露首脳会談

 『スイスのジュネーブで、米国のバイデン大統領が就任後初めて、ロシアのプーチン大統領との首脳会談を行った』。

 

 『両首脳は、「予測可能で安定した関係」をともに追求する点では一致した』。『軍縮では、将来の軍備管理のあり方を協議する「戦略的安定対話」を始めることで合意した』。『サイバー安全保障の問題については、専門家レベルの協議体を設置することが決まった』。

 

 一方で、『ロシアの反政権活動家弾圧や、ウクライナへの軍事的威圧では、議論は平行線をたどった』(読売)。

 

 

 読売は、核軍縮について『世界の核弾頭の9割を保持する米露には、核軍縮を主導する責務がある』と求めるとともに、『急速に軍備を拡大する中国も協議に引き入れていかねばならない』と指摘した。

 

 サイバー攻撃に関しては、『プーチン氏はロシアのサイバー攻撃への関与を全面否定している』こと、バイデン氏が『攻撃を受けた場合は「相応の措置をとる」と警告した』ことにふれ、ロシアに自制を求めた。

 

 人権弾圧については、ロシアに『国際ルールや人権を尊重すべき』と求めている。

 

 

 朝日は核軍縮について、『台頭する中国の軍拡にブレーキをかけるには、圧倒的な核戦力を抱える米ロが軍縮交渉を率先し、中国を含む包括的な枠組みをつくる必要がある』と積極的意義を見出している。

 

 もっとも、現在の米露関係は良好とはいいがたく、『双方の国内で敵対的な世論や政治行動が強まり、対話のパイプは「ソ連時代よりも細っている」ともいわれる』。

 

 そんな中で会談が実現したのは、『バイデン政権は中国との競合を最優先課題にしている』ため『二正面の争いを避けたいがゆえのロシアへの秋波』とのこと。しかし『逆にプーチン氏は米国への対抗上、中国との連携を最重視する。今後の駆け引きは予断を許さない』。

 

 

 毎日は、終了後の記者会見について紹介し、両国関係が良好とは言い難いことを強調した。『プーチン氏はロシアの反体制派デモを米国の連邦議会乱入になぞらえ取り締まりを正当化した。この例えをバイデン氏は冷笑し、ロシアの民主派指導者が獄中死すれば「報いを受ける」と警告した』。

 

 『不信を拭うのは容易ではない』が、核軍縮サイバー攻撃の対話については毎日も評価している。

 

 今回の会談が成立した背景に『中国と協力しつつ米国とも協調することで立場を強めたいロシアと、中国への対応に専念したい米国の思惑が一致した』という見立ては朝日と同様だ。

 

 

 産経は、『プーチン氏が性根を入れ替えると考えるのは楽観的すぎる』と会談の成果に否定的だ。

 

 『ロシア側は今回の会談にすこぶる満足しており、ロシアが米国の重視する大国であることが示されたと解釈している。プーチン政権が増長し、国内の弾圧や対外的な攪乱(かくらん)活動にさらに力を入れる恐れがある。中国抑止に集中したい米国の思惑を見透かし、対中連携を強めることにも警戒が必要だ』と、むしろロシアの敵対的行動は増加するのではないかとすらみている。

 

 そして、『ロシアの不法行為には制裁強化などで厳しく対処する姿勢を貫くことが肝要』という。

 

 

 

 

リンク

読売:

米国の金融政策 緩和規模の縮小を慎重に探れ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

育児休業法改正 男女が共に子育てする社会に : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)米ロ首脳会談 大国の誇り掲げるなら:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:バイデン・プーチン会談 実効性ある核軍縮が必要 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:みずほ銀の障害報告書 顧客軽視を改められるか | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】新大西洋憲章 米英と協調し「民主」守れ - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】骨太方針 コロナ克服の確信持てぬ - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。