再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】緊急事態宣言解除

各紙の比較

 4紙すべてが緊急事態宣言解除をとりあげた。その他読売が米露首脳会談をとりあげた。

 

緊急事態宣言解除について論調を比較する。

 

 

 

緊急事態宣言解除

  『政府は、東京など10都道府県に発令中の緊急事態宣言について、沖縄を除き、20日で解除することを決めた。東京や大阪など7都道府県には、まん延防止等重点措置を適用し、7月11日を期限として段階的に緩和することにした』(読売)。

 

 

 読売は、五輪の感染対策について分科会が提言する方針であることを紹介し、『 真摯しんし に受け止め、効果的な対策を講じてほしい』と政府に求めた。

 

 変異株について、『英国型の変異ウイルスに置き換わった』ことが第4波を招いたとして、『感染力が強いとされるインド型』の広がりに警戒を求めた。

 

 ワクチン接種について、『64歳以下も早く受けられるようにするため、職場や大学などでの接種機会をさらに増やす』こと、接種券が届いていなくても接種できるように『券は後日提出するといった対応』を取り入れることを求めた。

 

 

 朝日は、『前回の解除時に政府が掲げた5本柱の総合対策は、ワクチン接種を除けば、多くは中途半端なままだ』として、『追加の病床確保』や『変異株の監視・封じ込め態勢』、『無症状者を対象としたモニタリング検査』が不十分な現状を指摘した。

 

 自粛要請が継続されることについて、基本的には否定していないが、『適切な対策を取ったうえで営業できる仕組みづくりに本腰を入れるとともに、自粛を求めるなら、協力金の迅速な支給など、実効性のある支援策が不可欠だ』と工夫を求めた。

 

 五輪開催には否定的で、『約8万人ともいわれる大会関係者は都内や近郊に滞在する』こと、『約7万人のボランティアをはじめ、食事や清掃、輸送、警備など大会を支える人々が、選手村や会場などに出入りする』ことから、『感染のリスクは否定できない』。

 

 『五輪の観客について、「最大1万人」を入れる案』については、『プロ野球やJリーグなど個別のスポーツと五輪を同列には扱えないという考えはもっとも』と意外に好意的だ。

 

 

 毎日は、感染拡大を懸念して『コロナ下で大会を開くなら無観客とすべき』と主張した。

 

 『プロ野球やサッカー・Jリーグは制限付きで観客を入れている』が、『五輪は規模が大きく、多くの競技を短期間に集中して実施する。全国から観客が集まれば、移動や宿泊、飲食で人の流れは確実に増す』。

 

 『国立感染症研究所の試算では、インド型変異株の影響が小さかったとしても、大会期間中の7月後半から8月前半に感染が再拡大し、緊急事態宣言の再発令が必要となる可能性があるという』。

 

 いっぽうで、『無観客なら人の流れを抑制でき、観戦時の熱中症などで医療にかかる負担も軽くなる。観客の対応に当たる警備やボランティアを削減することもできる』など、『チケット収入は失われても、大会運営上は管理しやすくなり、メリットは大きい』。

 

 『無観客での開催になれば、社会とのつながりを欠くとの意見もある』が、 テレビやオンラインで『価値を共有することはできる』。

 

 

 産経によると、『緊急事態宣言や重点措置の解除後1カ月程度の経過措置として、会場定員の50%以内であれば1万人を上限とする新たな基準が設けられた』が、分科会による提言は『無観客での開催が最も感染リスクが小さいとし、観客を入れる場合は現行の大規模イベントの上限よりも厳しく制限する必要性を指摘する方針』とする予定だという。産経は、政府の決断による観客動員を暗に求めた。

 

 菅首相はG7サミットで『東京五輪パラリンピックの成功を訴え、全首脳から支持の表明があった』ことをあげ、『これは五輪の開催に責任を負ったということだ』と五輪開催は国際公約であることを強調した。そして、菅首相は国民に向けて明確に五輪開催への支持、協力を求めるべき』とした。まず、ワクチン接種の目詰まり解消のため『民間の知恵を総動員』するように、『医療界、企業、国民に、強く協力を求め』る。

 

 『専門家による種々のシミュレーションでは、7月、あるいは8月にも感染の第5波が訪れる予測がある。だが、ワクチン接種の迅速化で感染や重症化を減らし、人流や行動の抑制で予測を外すことは可能なはずである』。

 

 また、『酒類提供が解禁される飲食店では換気や座席間の遮蔽を徹底し時短要請を守る。客は騒がず、はしゃがない。企業はテレワークなどの工夫で人流抑制への協力を続ける。そうした努力の一つ一つがウイルスとの戦いを有利に導く』とする。

 

 

 

 

リンク

読売:

緊急事態解除 感染再拡大の前例繰り返すな : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

米露首脳会談 関係改善への小さな一歩だ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)再拡大懸念下の解除 五輪リスク、首相は直視を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:宣言解除と東京五輪 無観客での開催を求める | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】緊急宣言の解除 五輪開催に協力を求めよ ワクチン迅速化がカギを握る - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。