再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】大阪の医療崩壊危機、米軍のアフガン撤兵など

各紙の比較

 読売・朝日・毎日が大阪の医療崩壊危機を、朝日と産経が米軍のアフガン撤兵を、毎日と産経が東芝社長辞任をとりあげた。その他読売がミャンマー情勢をとりあげた。

 

 大阪の医療崩壊危機、米軍のアフガン撤兵について現状を確認しておきたい。

 

 

 

大阪の医療崩壊危機

  大阪府は、医療崩壊の危機にある。新型コロナウイルスの『新規感染者が連日1000人以上にのぼり、重症患者の病床使用率は9割を超える』(毎日)。

 

 『本来ならばより設備の整った病院に移すべき重症者を、相応の態勢がとれている軽症・中等症者向けの病院に留め置くことなどで、何とかやり繰りしている状態』だという(朝日)。

 

 

 読売は、変異ウイルスの拡大や、『感染集団の発生は、飲食店だけでなく、職場や高齢者施設、学校にも広がっている』こと、『重点措置が適用された地域でも人出は大きく減っていない』ことを指摘し、『再度の緊急事態宣言発令』も視野に入るとした。

 

 そして、政府や自治体が行うべき課題として『PCR検査の拡充や病床の確保』、『医療機関が患者の症状に応じて役割分担する』ことの調整、『仮設施設の建設、活用』、ワクチンの体制を早急に整えることなどをあげた。

 

 最後に、『有効な打開策を見いだせなかった政治や行政の力量が問われている』と厳しい目を向けた。

 

 

 朝日は、府が『小中高校に部活動の休止を、大学には講義のオンライン化を求める』ことを紹介した。また、急激な感染拡大の原因として英国型変異株の存在を上げ、他地域でも大阪での『知見を踏まえて対策を急ぐべき』とした。

 

 また、結果として医療崩壊を招いた吉村府知事の責任を指摘し、検証を求めた。菅首相が『「全国的な大きなうねりとまではなっていない」と述べ、第4波到来との見方に否定的な考えを示した』ことに関しては、『訪米、さらには東京五輪開催に影響が出ないよう、状況をことさら小さく見せようとしているのではないか』と疑いの目を向けた。

 

 

 毎日は、専門家の厳しい見方として『日本医師会中川俊男会長は「既に医療崩壊が始まっている」との認識』で、『政府の分科会の尾身茂会長も、緊急事態宣言の再々発令を選択肢に入れるべきだと語った』ことを紹介した。

 

 そして、政府は『首相帰国後の19日ごろまで、重点措置の効果を見極めるというが、それで間に合うのだろうか』と疑問を呈し、『必要な時には強い措置をためらってはならない』と緊急事態宣言の早期発令を促している。

 

 

 

米軍のアフガン撤兵

 アメリカのバイデン大統領は、アフガニスタン駐留米軍を『9月11日までに、すべて撤退させると表明した』(朝日)。

 

 

 朝日は、米軍撤兵により内乱が激化し、『再び国際テロの温床と』なることを懸念している。内乱を防ぐためには『アフガン政府とタリバーンの和解を進める』事が必要だ。

 

 アメリカは、『アフガン政府とタリバーンが権力を分け合う形で暫定政権をつくることを提案』したが、『タリバーンは、外国軍が残る限りは交渉に応じないとして、ボイコットも示唆している』。

 

 国際テロはアメリカのみならず、中国やロシアにとっても驚異となりうるため、朝日は『この問題では、バイデン政権も中ロとの協力を探るべき』と求めた。

 

 

 産経は、バイデン大統領が『米軍撤収で生まれる余力を対中国シフトに振り向ける考えを強調したこと』を肯定的に評価した。

 

 また、トランプ前政権が『今年4月末を米軍の完全撤収の期限としていた』ことと比較し、今回の撤兵期限は遅くなっている。『期限のずれ込みにタリバンの報道官はツイッターに「和平合意に反する」と投稿した』。産経は、『アフガン政府が統治能力を失わないよう、慎重に米軍の撤収を進め』るよう求めた。

 

 

その他の話題まとめ

・毎日・産経によると、東芝の車谷社長が辞任し、綱川前社長が復帰した。『投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズから買収提案があった直後』の出来事だ。車谷社長は銀行出身で、『CVCの役員を務めていた』ことから、求心力が低下したとみられる(毎日)。

 

 

 

 

リンク

読売:

コロナ「第4波」 自粛を促すだけでは不十分だ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

ミャンマー情勢 国民を殺戮する軍の異常さ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)アフガン撤兵 和平努力が米の責務だ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)大阪の危機 命を守る対策に全力を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:大阪で「医療崩壊」危機 政府が前面に出なければ | 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:経営の迷走続く東芝 統治の立て直しが急務だ | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】米軍アフガン撤収 対中シフトの決意示した - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】東芝の社長辞任 いつまで迷走続けるのか - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。