再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】米中協議など

各紙の比較

 読売・朝日・産経が米中協議をとりあげた。その他読売が新型コロナに関する提言、毎日が五輪関係者の差別発言/春闘、産経が日銀の政策修正をとりあげた。

 

 米中協議について論調を比較する。柔軟な朝日・強行な産経と一見いつもの構図に見えるが、実は朝日と産経の主張に重なる部分が多い。

 

 

 

米中協議

 『米国のバイデン政権が発足して初めての、米中高官協議が米アラスカ州で行われた』。冒頭一時間ほど、米中双方が批判の応酬を繰り広げたことが注目されている。

 

 米国が批判したのは、『南シナ海台湾海峡沖縄県尖閣諸島周辺での中国の威圧的な行動』、『香港や新疆ウイグル自治区での弾圧』、『意に沿わない国に、懲罰的措置として貿易規制や関税を課す中国の手法』などについてだ。

 

 中国は『共産党体制の優位を宣伝し、香港や台湾などの「内政問題」に米国は介入すべきでない恫喝どうかつした』という(読売)。

 

 

 読売は、米国が『対話のための対話は行わず、同盟国との連携を深めながら、中国の変化を促す戦略』をとっていることは理にかなっていると評価した。

 

 中国の意図に関しては、『気候変動や感染症対策といった地球規模の課題を持ち出すことで「大国間の協調」に重点を置こうとしているのだろう』と予想したうえで、『中国が信頼に足る行動をとらなければ、協力関係は築けない』と突き放した。

 

 そして、日本は『米中対立の長期化に備えて、中国の軍拡に対する抑止力強化や、先端技術で中国に依存しない体制作り』をすること、『米中に軍事的緊張の激化や不測の衝突を回避するよう、自制も求め』ることが必要だとした。

 

 

 朝日は、批判の応酬について『双方とも自国向けに強硬さを演出する思惑もあっただろう』と背景を予想した。また、『米側の報道では、非公開協議は比較的冷静だった』と、対立だけの会談ではなかったことを強調した。

 

 もっとも、朝日も中国に弱腰なわけではない。『新疆ウイグルや香港、台湾などでの強権発動を正当化する主張を、国際社会は看過してはなるまい』と、中国の強権を許容しない態度を示した。

 

 もっとも、『トランプ政権のような独善的な対中対決』ではなく、『米国は日韓豪印や欧州など各国と、ていねいに対中政策の調整を進めるべき』とする。日本も、『中国との協力を探り、懸念を伝える是々非々の関係を築かねばならない』。

 

 

 産経は、会談における中国側の反応を詳細に報じている。『新疆ウイグル自治区での米側の「ジェノサイド(民族大量虐殺)」認定を「今世紀最大の嘘」と反発』し、『台湾問題は「核心的利益にかかわり、妥協と譲歩の余地はない」と突っぱね、香港の選挙制度変更は「中国の一地方」のこととして尊重するよう求めた』。

 

 会談で評価すべき点として、『米側がこの会談に向け、同盟国との対中連携を積み上げ、「世界の懸念」として中国に改善を迫ったこと』をあげた。

 

 具体的には日本や韓国との『外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)』や、オーストラリア・インド・日本との「QUAD」首脳会合などで対中問題を協議している。

 

 そのうえで、『今回の会談の内容を同盟国と共有し、次の一手へさらなる連携を重ねる』よう求めている。

 

 

 

その他の話題まとめ

毎日は、春闘で賃上げが見送られがちであることについて、業績が改善している企業・業種も多いことを指摘した上で、『コロナを言い訳に賃金を抑制する動きがなかったか』と疑問を呈した。

 

産経は、日銀の政策修正について理解を示しつつも、『細かく修正を加えた結果、金融政策がますます複雑になり、その全体像が捉えにくくなっていること』に懸念を表明した。

 

 

 

リンク

読売:

新型コロナ提言 長期戦を見据え医療体制築け : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

米中高官協議 対立の根深さが鮮明になった : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)米中協議 健全な共存描く対話を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:五輪関係者と人権 差別と気づかない深刻さ | 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:賃上げ鈍化の春闘 人への投資は成長の礎だ | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】日銀の政策修正 副作用減じ機動的に動け - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】米中アラスカ会談 「世界の懸念」突き付けた - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。