再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】総務相接待問題、京都保護司宣言など

各紙の比較

 4紙すべてが総務相接待問題をとりあげた。その他読売がワクチン詐欺、朝日が日米豪印首脳会談、毎日がトモダチ作戦、産経が京都保護司宣言をとりあげた。

 

 総務相接待問題については、各紙批判的だが決め手を欠く状況で、全体的に「ダレている」という印象。真相が解明されない中、強い政府批判にも政府擁護にも踏み切れないのだろう。そのなかで、産経は論旨鮮明、まさに「正論」だ。

 

 また、京都保護司宣言について、知らないことが多かったのでまとめておく。

 

 

 

総務相接待問題

 総務相接待問題に関連して、『参院予算委員会で、放送関連会社「東北新社」の中島信也社長とNTTの澤田純社長に対する参考人質疑が行われた』。

 

 東北新社の中島社長は、『2016年に衛星放送事業の認定を申請した際』に同社の外資比率が放送法の規定を超えていたことについて、『担当者の単純ミスだった」と釈明した』。

 

 同社内で問題が認識されたのは2017年だが、その後の対応にも疑問が生じている。『中島氏は「総務省の担当者に報告した」と述べたが、総務省局長は「当時の担当者は、報告を受けた覚えはないということだった」』と答え、双方の主張は食い違った。

 

 また、NTTの澤田社長は、『NTT幹部が歴代の総務相や総務副大臣と会食していた問題』について、『「大きな迷惑をかけた」と陳謝する一方で、業務上の要請はなかったと強調した』(以上読売)。

 

 

 読売の反応はあっさりしたもので、東北新社について『当時の経緯を詳しく調べ、事実を解明することが重要』、NTTについて『国民に疑念を持たれるような行動は厳に慎まなければならない』と述べた。

 

 

 朝日は、総務省が『規制官庁として存在する意義はないと言わざるを得ない』と厳しき批判した。総務省東北新社の主張が食い違っていることについては、『森友・加計問題などをめぐって何度も見聞きしたのと同様の光景』と評した。

 

 NTTについては、『携帯電話料金の値下げやNTTドコモ完全子会社化などの動き』のなかで許認可権をもつ総務省への接待が行われれば、『行政にゆがみが生じなかったか、疑念を持たれるのは当然』と批判した。

 

 

  毎日は、東北新社総務省の主張の食い違いについて、『省庁幹部は事業者との面会記録を作成しているはずだ。不正を否定するのなら、記録を開示して自ら疑惑の払拭(ふっしょく)に努めるべきだ』と記録開示を求めた。

 

 また、NTTとの会食問題について『首相と武田良太総務相は「国民の疑念を招くような会食に応じることはない」と述べるだけだった』。毎日は、『自ら会食の中身について明らかにすべきだ。それが示されなければ、疑惑の有無を国民は判断しようがない』と求めた。

 

 

 産経東北新社問題について、『焦点は接待を通じて行政がゆがめられていなかったかの一点にある』にもかかわらず、武田総務相が『ミスと杜撰(ずさん)な審査に問題を矮小(わいしょう)化してしまった』と指摘した。

 

 また、菅首相や武田総務相の『「国民の疑念を招くような会食、会合に応じたことはない」』という発言について、『NTT側の証言と合わせて推し量れば、会食の事実はあったのだろう』と推測した。そして、『疑念を招く心配がないなら、まず事実を明確に説明するところから始めてはどうか』と説明を求めた。

 

 

 

京都保護司宣言

 産経は、保護司制度について解説し、その重要性と普及の必要性を論じた。

 

 『保護司は、刑を終えた人や仮出所者ら保護観察の対象者が社会で更生できるよう、定期的に対象者と面接し、生活の相談に乗り、就職の手助けなどを行う』という制度だ。『法相の委嘱を受けた非常勤の国家公務員であるものの、実質的には無報酬の地域ボランティアである』。

 

 近年保護司不足が問題となっており、『5万2500人の定員に対し、今年1月の時点で委嘱されているのは約4万6千人高齢化も進み、平均年齢は65・1歳だ』。

 

 『前任者が適任者を指名することも多いが、地域社会の人間関係の希薄化で、人材の確保が難しくなっている』という。

 

 国際的にも保護司制度を広める動きがある。『先週、京都で開催された「国連犯罪防止刑事司法会議」(京都コングレス)の関連イベントとして法務省と国連が合同で「世界保護司会議」を開き「世界保護司デー」の制定を目指す「京都保護司宣言」を採択した』。

 

 『政府は、保護司制度の「輸出」を通して刑事司法分野での存在感や影響力の向上につなげたい考え』で、『フィリピンやケニアなど少なくとも6カ国で日本をモデルにした制度が導入されている』という。

 

 

 

その他の話題まとめ

・ワクチン詐欺

 読売は、新型コロナに便乗した犯罪を紹介した。『年1年間に全国の警察が確認した特殊詐欺事件のうち、コロナ関連は55件、被害額は計約1億円に上る』。

 

 『保健所職員を装い、「ワクチンを優先的に接種できる。後日、返金するので10万円を振り込んで」などと求める電話がかかってくるという。「接種の手続きに伺いたい」と、住所を聞き出そうとするケースも確認されている』。

 

 『息子を名乗る人物から「PCR検査で陽性だった。助けて」という電話を受け、1500万円をだまし取られた』ケースや、『給付金の受け取り用に口座を作り直すとして、キャッシュカードを取られた人もいる』。

 

 『現金やカードを受け取りに来た犯人がマスクで顔を隠していても、今は違和感を覚えない』という指摘は、なるほどという感じ。

 

 

 

 

Q&A

Q.□は、刑を終えた人や仮出所者ら保護観察の対象者が社会で更生できるよう、定期的に対象者と面接し、生活の相談に乗り、就職の手助けなどを行うという制度だ。法相の委嘱を受けた非常勤の国家公務員であるものの、実質的には無報酬の地域ボランティアである

A.保護司

 

Q.近年保護司不足が問題となっており、□人の定員に対し、2021年1月の時点で委嘱されているのは約□人。高齢化も進み、平均年齢は65・1歳だ。前任者が適任者を指名することも多いが、地域社会の人間関係の希薄化で、人材の確保が難しくなっている

A.5万2500、4万6千

 

 

 

リンク

読売:

総務省接待問題 なれ合い生んだ可能性ないか : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

ワクチン詐欺 不安につけ込む卑劣な犯罪だ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)外資規制違反 異なる説明 深まる不信:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)日米豪印会合 安定を支える枠組みに:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:接待問題で2社長招致 疑惑は解消されていない | 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:大震災10年 トモダチ作戦 地域の災害救援モデルに | 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】京都保護司宣言 世界に誇る制度充実図れ - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】総務省の接待問題 疑念晴らす明確な説明を - 産経ニュース (sankei.com)

 

 『』内はリンクからの引用です。