再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】新型インフルエンザ特措法改正

各紙の比較

 4紙すべてが新型インフルエンザ特措法改正を、朝日・毎日・産経が河井案里議員の辞職をとりあげた。

 

 特措法改正について論調を比較する。

 

 

新型インフル特措法改正

 国会では、新型コロナウイルス対策の一環として、新型インフルエンザ特別措置法改正法などが成立した。『休業や営業時間短縮の命令に応じない事業者や、入院を拒否した感染者』に対して、『これまでは要請などにとどまっていた』が、改正法では『過料を科すことができるようになる』(読売)。

 

 当初政府は、刑事罰である罰金を導入しようとしていたが、野党・立憲民主党との修正協議を経て、行政罰である過料に落ち着いた。

 

 また、『改正法は、緊急事態宣言前に予防策への協力を呼びかけるため、政府が「まん延防止等重点措置」を発令する規定を設けた』(読売)。

 

 読売は、『与野党が歩み寄り、合意に至ったこと』を評価し、まん延防止等重点措置に関しても、『広範囲に感染が拡大する前から、メリハリのある対策を講じるのは有効』と肯定的だ。

 

 いっぽうで、立法過程には疑問を呈し、『厚生労働省の審議会では、複数の専門家が「蔓延まんえん防止につながらない」として罰則に反対したが、法案の作成作業には反映されなかった』こと、『改正法は4日間の国会審議で成立し、罰則の必要性や効果に関する政府答弁も説得力を欠いた』ことなどを批判した。

 

 朝日は、特措法に罰金導入が見送られ過料が導入されたことについて、『感染拡大の責任を市民の側に転嫁し、罰を与えることで行動を抑えつけようという強権的な姿勢は、本質において変わっていない』と強く批判した。

 

 また、過料の手続きは『保健所などの行政機関が担う』ことを紹介し、疲弊する現場にさらに負担をかけると指摘した。

 

 さらに、『要請に応じた事業者への財政支援は「経営への影響の度合い等を勘案」といった表現にとどまり、これまた実効性に疑問符がつく』と否定的だ。

 

 毎日は、『とりわけ懸念されるのは、時短などの命令に応じた事業者への財政支援が具体的に明記されていないこと』として、『事業規模や売り上げの減少に応じた支援が必要だ。政府が公平性に配慮した支援策を用意し、事業者が応じやすい環境を作ることが不可欠だ』と要求した。

 

 罰則導入について、手続きを担う保健所は『本来は住民に寄り添って健康を守るのが役割だ。住民との信頼関係が損なわれれば、日々の業務にも支障が出かねない』と、保健所と住民の対立関係を招くことを懸念した。

 

 「まん延防止等重点措置」については、『発令要件や要請内容は曖昧』なため、『恣意(しい)的な運用への歯止めが必要』と指摘した。

 

 産経は、『特措法などの改正は本来、昨年の感染状況が比較的落ち着いていた時期に済ませておくべきだった』として政治の対応の遅さを批判した。

 

 また、時短営業に応じる事業者への支援について、『今の飲食業への一律1日最大6万円の支援策には不備な点がある』として、『支援額の適正化と対象業種の拡充が必要』とした。

 


Q&A

なし

 


リンク

読売:

改正特措法成立 罰則頼らず国民の理解求めよ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

技術情報流出 競争力の源泉守る対策が急務 : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)コロナ法成立 運用監視し再見直しも:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)案里議員辞職 目に余るモラルの低下:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:コロナ関連法の改正 罰則でなく支援を前面に - 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:河井案里議員が辞職 説明なき退場許されない - 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】案里議員辞職 克行被告にも進退を迫れ - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】コロナ特措法改正 協力に十分な支援必要だ - 産経ニュース (sankei.com)