再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】元慰安婦訴訟

各紙の比較

 4紙すべてが韓国元慰安婦訴訟をとりあげた。その他読売と産経が米議事堂占拠、朝日が緊急事態宣言、毎日が個人情報ルール一本化をとりあげた。

 

 元慰安婦訴訟についての論調を比較する

 

韓国元慰安婦訴訟 

 『韓国人元慰安婦12人が、日本政府を相手に損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁が原告の訴えを全面的に認め、1人当たり1億ウォン(約950万円)の賠償を命じる判決を言い渡した』。

 

 『日本政府は、国家の行為は他国の裁判所で裁かれないという国際法上の「主権免除」の原則から、裁判に参加せず、「訴訟は却下されるべきだ」との立場をとっていた』ところ、判決は『日本政府が元慰安婦への「計画的、組織的、広範囲にわたる反人道的行為」で国際規範に違反したとし、「主権免除」は適用できないとした』という(読売)。

 

 読売は『日本は、元慰安婦を支援する財団に資金を拠出するなど、問題解決に努めてきた。韓国はその努力を一方的に無にしている』と、問題の根本には韓国政府の対応があるとの認識を示した。そのうえで、『政府は対外発信力を強化して、日本の取り組みを丁寧に説明し、各国の理解を得なければならない』と政府の発信力強化を求めた。

 

 朝日も、『前政権が結んだ合意を文在寅(ムンジェイン)政権が評価せず、骨抜きにしてしまったことが最大の原因』であることは認めているが、それにとどまらず『歴史の加害側である日本でも、当時の安倍首相が謙虚な態度を見せないことなどが韓国側を硬化させる一因となった』と日本側にも原因を求めた。

 

 そして、韓国政府に『慰安婦合意を冷静に評価し直し、今回の訴訟の原告でもある元慰安婦らとの対話を進める』よう求めるとともに、『日本側も韓国側を無用に刺激しない配慮をする必要がある』とした。

 

 毎日は、 今回の判決と国際司法裁判所の過去の判決を比較するなど、判決を理論的に分析した。

 

 まず、『国際司法裁判所(ICJ)が反人道的であることを理由に例外と認定してきたのは、拷問とジェノサイド(大量虐殺)である』ことを指摘し、『慰安婦制度でも例外を認めるというのなら、新たな判断ということになる。判決が、そのために必要となる慎重な検討を尽くしているのか疑問だ』と法的根拠に疑問を呈した。

 

 また、『人権被害の救済を重視する国際法の流れは、第二次世界大戦への反省から生まれたもの』であるため、『大戦中の行為にまでさかのぼって主権免除の例外を認め、賠償を命じることには無理があるのではないか』と、法の不遡及原則に基づいて批判した。

 

 産経は、判決の前提となる事実関係について反論した。判決は『日本による「計画的、組織的、広範囲に行われた反人道的な犯罪行為」などと断じたが、調査や実証的研究で、女性を組織的に連れ去って慰安婦にしたという「強制連行」説は否定されている』とのこと。

 

 また、『原告の元慰安婦は、「現在まで被告からきちんとした謝罪や賠償も受けていない」とする』ことについて、『日韓両政府は2015年の合意で慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認済みだ。日本政府拠出の10億円をもとに支援財団がつくられ、多くの元慰安婦が現金支給事業を受け入れた。合意を反故(ほご)にして財団を一方的に解散したのは文在寅政権である』とした。

 


Q&A

なし 

 


リンク

読売:

元慰安婦訴訟 「主権免除」認めぬ不当判決だ : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

米議事堂占拠 民主主義の先導役の名が泣く : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)緊急事態宣言 事業者支援が不十分だ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)慰安婦判決 合意を礎に解決模索を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

 

毎日:

社説:韓国の元慰安婦訴訟 対立深刻化させる判決だ - 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:個人情報ルール一本化 信頼得られる仕組み必要 - 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

 

産経:

【主張】「慰安婦」賠償命令 歴史歪める判決を許すな - 産経ニュース (sankei.com) 

【主張】米議会へ乱入 民主主義の大きな汚点だ - 産経ニュース (sankei.com)