再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】核・気候・コロナ、コロナ下の民主政治

各紙の比較

 朝日が核・気候・コロナを、毎日がコロナ下の民主政治をとりあげた。読売・産経は元日午前7時時点で社説がアップロードされていない。

 

 

核・気候・コロナ

 朝日は、長崎原爆資料館の入り口に掲げられたメッセージを引用して、核・気候・コロナという3つの世界規模の問題につき論じた。

 

 新型コロナに関する問題として、『効率優先』により『社会の余力がそぎ落とされ、医療崩壊につながった地域がある』こと、『看護、介護、物流といった日常を支える「エッセンシャルワーカー」』の重要さ、『テレワークが広がり、デジタル化が加速する見通しの一方で、対面労働に携わる人々との格差』を紹介した。

 

 気候問題について、『コロナ禍で傷んだ経済の再生を、脱炭素や生態系の保全といった気候変動への取り組みと連動させよう』とする『「グリーンリカバリー(緑の復興)」』を、命か経済化という二分法からの発想の転換として好意的に紹介した。

 

 また、米国が『温室効果ガスの排出削減をめざす枠組み「パリ協定」に復帰する』こと、日本が『「2050年に実質排出ゼロ」を打ち出した』ことなど、国レベルの環境対策も前進している。

 

 核の問題については、『今月22日に核兵器禁止条約が発効する』が、『米ロはじめ核保有国と、「核の傘」の下にある日本などは、この条約に背を向ける』ことを批判した。

 

 

コロナ下の民主政治

 毎日は、コロナ下で民主政治が危機的状況にあることについて論じた。

 

 『民主政治は合意過程を重要視するが故に、意思決定に時間がかかる』という問題点があり、アメリカなど民主主義国家のコロナ対策の遅れにつながったとみられる。一方で、非民主主義国家の中国は『都市封鎖やIT(情報技術)を駆使した国民監視などの対策を、持ち前の強権政治により一気に進め』、『感染拡大を早々に抑え込んでみせた』。

 

 また、コロナ以前から『グローバル化の進展』により『先進国では中間層以下の所得が伸び悩み、寛容さが失われ格差と分断が拡大』した。結果として、『反グローバル主義とナショナリズムがうねりを増し、ポピュリスト政治家が幅を利かせ』るという民主政治の危機が生じた。

 

 日本においても、非正規雇用と正社員の格差、東京と地方の格差、男女格差などにより、『どこに所属するかによって運命が大きく決定される『再封建化』といえる動きが強まっている』。

 

 毎日はこれらに対する具体的な処方箋を示してはいないが、米大統領選挙の『投票率が過去最高になった』こと、安倍政権や菅政権の支持率低下など『政治について国民が気づきを持つようになった』ことをよい兆候ととらえている。

 


Q&A

なし

 


リンク

朝日:

(社説)核・気候・コロナ 文明への問いの波頭に立つ:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:臨む’21 コロナ下の民主政治 再生の可能性にかける時 - 毎日新聞 (mainichi.jp)