再受験医師の社説比較

医学部再受験し、地方国立大学を卒業した精神科医です。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】2021年度予算案

各紙の比較

 読売・朝日・毎日・産経の4紙すべてが2021年度予算案をとりあげた。その他読売が2020年のニュース回顧、朝日がコロナワクチン、毎日が建設石綿訴訟、産経がイラン核合意をとりあげた。

 

 2021年度予算案に関して論調を比較する。

 

 

2021年度予算案

 2021年度予算案の一般会計総額は106.6兆円と過去最大規模になった。これに対し、各紙厳しい目を向けた。

 

 読売は比較的寛容だ。新型コロナ対策の予備費5兆円など『医療体制を支える費用は惜しむべきではない』こと、『デジタル庁創設に向け、関連省庁の情報システム整備に、省庁の枠を超えて一括で約3000億円を計上した』こと、『環境対策では、燃料としての水素活用の支援策などを拡充した』ことなどに理解を示した。

 

 『薬の公定価格(薬価)を多くの品目で引き下げて約1000億円削り、高齢化による自然増を3500億円に抑えた』ため、『社会保障費は35・8兆円と、20年度当初と比べ微増』にとどまることも肯定的に紹介した。

 

 いっぽうで公共事業費が20年度3時補正も含めると拡大傾向であること、新規国債発行額が『20年度当初より約3割多い43・6兆円』の予定となったことについて、注意を促した。

 

 朝日は、『総額が抑えられたように見えるのは、「15カ月予算」の考え方のもとで一体編成した今年度3次補正に、額がかさむ目玉事業をことごとく押し込んだから』で、『3次補正を加えた実質的な来年度予算は、同じく15カ月予算だった今年度より16兆円も多い』と指摘した。

 

 個別の項目では、国土強靭化対策の15兆円、新設する大学の研究支援ファンドの4.5兆円に根拠がないことを批判した。また、『訪日観光客の回復が見込めないのに、3次補正に「インバウンド復活に向けた基盤整備」として650億円計上した』ことなど、時勢を鑑みて不適切な支出があることを指摘した。

 

 毎日も朝日と同様の論調だ。予算拡大の背景に『来年秋までに行われる衆院選をにらんだ与党の歳出拡大要求がある』と推測し、財政健全化を求めた。

 

 産経は、『15日に閣議決定した3次補正まで含めると、175兆円を超える』と、15ヶ月予算全体の規模感を提示した。

 

 個別の項目では、『脱炭素化の研究開発を支援する2兆円基金や、大学の研究基盤を強化する10兆円規模のファンド創設』などに疑問を呈した。

 

 そして、『いったん膨らんだ予算を元に戻すのは難しい』ことを前提に、『コロナ禍が収束した後の財政のありよう』を見据えた財政規律の必要性を訴えた。

 

 
Q&A

Q.2021年度予算案の一般会計総額は□兆円と過去最大、2020年度3次補正を加えた15ヶ月予算は□兆円を超え、同じく15カ月予算だった今年度より16兆円も多い。

A.106.6、175

 

Q.2021年度予算案の新規国債発行額は、20年度当初より約3割多い□兆円となった。

 A.43・6

 

Q.2021年度予算案の社会保障費は□兆円と、20年度当初と比べ微増にとどまった。

A.35・8

 


リンク

読売:

来年度予算案 借金頼みの財政膨張は危うい : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

2020回顧・日本 社会が根底から揺らいだ1年 : 社説 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

朝日:

(社説)来年度予算案 財政規律のたが外れた:朝日新聞デジタル (asahi.com)

(社説)コロナワクチン 全体見すえ体制構築を:朝日新聞デジタル (asahi.com)

 

毎日:

社説:過去最大の予算案 コロナに乗じた野放図さ - 毎日新聞 (mainichi.jp)

社説:建設石綿で国敗訴確定 放置してきた責任は重い - 毎日新聞 (mainichi.jp)

 

産経:

【主張】イラン核合意 米の復帰に妥協は禁物だ - 産経ニュース (sankei.com)

【主張】来年度予算案 財政悪化の現実忘れるな - 産経ニュース (sankei.com)