再受験医師の社説比較

司法浪人から医学部再受験し、地方国立大学を卒業しました。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】代表質問、いじめ増加、航空会社の経営、ベラルーシ情勢

各紙の比較

  読売、朝日、毎日が国会の代表質問を、毎日と産経がいじめ増加をとりあげた。その他読売が航空会社の経営悪化、朝日が米大統領選挙、産経がベラルーシ大統領選をめぐる混乱をとりあげた。代表質問、いじめ増加について論調を比較する。また、航空会社の経営とベラルーシ情勢について情報を追加する。

 

 

代表質問

 10月28日より、菅首相所信表明演説に対する与野党の代表質問が始まった。読売がやや政権寄りながらフラットな立ち位置である一方で、朝日・毎日は政権に批判的だ。

 

読売は、社会保障・コロナ下の経済対策・学術会議問・憲法改正の4点について論戦を紹介した。

 社会保障では、菅首相が『「自助、共助、公助」を掲げ、自助努力の重要性を唱えている』のに対し、立憲民主党の枝野代表は『保育士の賃上げや、保健所などの職員増』など『社会保障や雇用などの予算を充実させ』る考えを示した。

 コロナ下の経済対策では、『枝野氏は時限的な措置として、年収1000万円以下の所得税免除や、消費税の減免などを訴えた』。これに対し首相は、『所得税の免除は低所得者に効果が及ばず、消費税は社会保障のために必要な財源だ」』と反論した。読売は、枝野氏が『財源を示さず、大規模な減税まで主張するのは安易』と批判し、税収増の構想を示すよう求めた。

 学術会議人事問題について首相は『「人事に関することで、答えは差し控える」』と述べたうえで、『「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りがみられる」』との見解を示した。読売は、『「政府が行うのは形式的任命」という過去の政府答弁と整合性が取れてはいまい』と批判した。

 憲法改正について、自民党野田聖子氏は『憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案の早期成立を求めた』。読売はこれに賛同し、『衆参の憲法審査会で議論し、速やかに成立させるべきである』とした。

 

朝日は、学術会議人事問題・前政権の「負の遺産」・めざす社会像や理念の不在について菅首相を批判した。

 学術会議人事問題について、首相は『「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動」を実現するために判断した』、『「多様性」の確保が念頭にあった』と語った。朝日は『後付けのような説明』と切り捨てた。

 前政権での森友・加計問題や桜を見る会、公文書管理問題について、首相はこれまで通り、説明に消極的だ。朝日は『負の遺産」に向き合う気がない』と批判した。

 めざす社会像や理念について、枝野氏は『競争や効率を重視する新自由主義』にかわり『政治と行政が支え合いの役割を果たす「共生社会」の実現を訴えた』。これに対し首相からの反論はなく、朝日は首相が『大局観に欠ける』と批判した。

 

毎日は学術会議人事問題、森友・加計問題、社会像について朝日と同じく首相の説明不足を批判した。

 自民党野田聖子氏が『女性の社会進出の遅れなどをただした』のに対して、首相は『選択的夫婦別姓の導入について「国会の議論を注視しながら検討する」とかわした』。毎日は首相自身の考えを示すよう求めた。

 

 

いじめ増加

 いじめ増加については10月23日の読売がすでにとりあげているが、なぜかこのタイミングで毎日と産経が同時にとりあげた。昨年度の学校でのいじめは過去最多の61万件、命にかかわるなどの「重大事態」は723件とそれぞれ増加している。

 

 コロナ下で医療従事者の子どもがいじめられる問題について、各紙共通してとりあげたが、具体的な対策を打ち出すまでには至っていない。社説にそこまで求めるのは過大な期待だろうか。

 

 毎日によると、『都道府県・政令市ごとに児童生徒1000人当たりのいじめ把握件数を見ると、最大で20倍以上の開きがある』。実際の発生件数が異なるのみならず、『調査の手法や、どういう行為がいじめにあたるかという現場の認識の違い』がある可能性を指摘されている。毎日は、新潟市が行う子どものアンケートで、『「靴を隠された」「嫌なあだ名をつけられた」など、いじめの具体的な例を示し、子どもに回答させている』ことを紹介し、他の自治体にも共有すべきとした。

 また、「重大事態」が起きた際には、教育委員会や学校が設ける「第三者委員会」が調査に当たることになっている。しかし、被害者側が調査結果に納得しないことが増えており、『昨年度、首長の判断で再調査が必要になったのは14件と過去最多』だという。

 

 産経は、『いわゆる「ネットいじめ」が1万8千件近く』、『26年度と比べ、この5年で2倍以上になっている』ことに着目し、『いじめ防止対策推進法でネット上の中傷はいじめと定義されている』ことを教えるべきとした。 

 

 

航空会社の経営

 読売によると、ANAホールディングスの国際線の運航は『前年比で9割減』で、『2021年3月期連結決算の最終利益が、過去最悪となる5100億円の赤字に陥る見通し』という。『日本航空(JAL)も、21年3月期に2000億円を超える赤字』を予定している。

 

 

ベラルーシ情勢

 ベラルーシ情勢はさらに悪化している。産経によると、『26日には、反体制派が呼びかけるゼネストの試みが始まった』のに対し、『政権は治安部隊を企業に送り込むなど就業拒否を阻止しようと躍起になっている』という。『8月9日の大統領選以降に拘束されたデモ参加者は、のべ約1万6千人』と凄まじい規模の大きさだ。

 

 欧米諸国はルカシェンコ政権に批判的で、欧州連合(EU)や米国などはベラルーシに制裁を発動し、『欧州議会は、人権や民主主義の擁護活動をたたえるサハロフ賞を、ベラルーシ反体制派に授与することを決めた』。

 

 いっぽうロシアは政権支援側で、『ベラルーシへの15億ドル(約1600億円)の融資を決め、ベラルーシで合同軍事演習を行って』いるとのこと。

 


Q&A

Q.都道府県・政令市ごとに児童生徒1000人当たりのいじめ把握件数を見ると、最大で□倍以上の開きがある。実際の発生件数が異なるのみならず、調査の手法や、どういう行為がいじめにあたるかという現場の認識の違いがある可能性を指摘されている。

A.20

 

Q.いじめによる「重大事態」が起きた際には、教育委員会や学校が設ける「□」が調査に当たることになっている。しかし、被害者側が調査結果に納得しないことが増えており、2019年度、首長の判断で再調査が必要になったのは□件と過去最多だ。

A.第三者委員会、14

 

Q.2019年度のいわゆる「ネットいじめ」が□件近く、26年度と比べ、この5年で□、倍以上になっている。□法でネット上の中傷はいじめと定義されている。

A.1万8千、2、いじめ防止対策推進

 

Q.ANAホールディングスの2021年3月期連結決算の最終利益は、過去最悪となる□円の赤字に陥る見通しで、国際線の運航は前年比で□割減という。日本航空(JAL)も、21年3月期に□円を超える赤字を予定している。

A.5100億、9、2000億

 

Q.欧州議会は、人権や民主主義の擁護活動をたたえる□賞を、ベラルーシ反体制派に授与することを決めた。

 A.サハロフ


リンク

読売:

代表質問 国の針路を大局的に論じよ : 社説 : 読売新聞オンライン

航空会社の経営 構造改革で苦境を克服したい : 社説 : 読売新聞オンライン

朝日:

(社説)米大統領選 国際秩序を占う岐路だ:朝日新聞デジタル

(社説)国会代表質問 「建設的」には程遠い:朝日新聞デジタル

毎日:

社説:増える深刻ないじめ 早期把握へ体制の強化を - 毎日新聞

社説:代表質問への首相答弁 議論を恐れているのでは - 毎日新聞

産経:

【主張】いじめ最多 心の中に棲む「鬼」を断て - 産経ニュース

【主張】ベラルーシ大統領 居座りは大きな代償払う - 産経ニュース