再受験医師の社説比較

司法浪人から医学部再受験し、地方国立大学を卒業しました。 毎日全国紙の社説を比較します。多面的な見方を養い、幅広い知識をつけることを目標にしています。 勉強の手段としてAnkiというアプリを使用しており、これに転記できるようなQ&Aを付け加えています。

【社説比較】敬老の日、ゲーム依存

各紙の比較

読売と産経の2紙が敬老の日についてとりあげた。その他読売はゲーム依存、朝日は遺言の活用と核のごみ処分、毎日は政と官の関係とタイの反政府デモ、産経は拉致問題についてとりあげた。敬老の日に遺言をネタにする朝日の感覚は独特だ。

 

このうち敬老の日とゲーム依存についてまとめておく。本日は読売の内容が良かったので、一読を勧めたい。

 

 

敬老の日

9月21日は敬老の日だ。日本の『65歳以上は過去最高の3617万人』で『人口の29%』、『100歳以上は初めて8万人を超えた』(読売)。高齢者人口の割合は世界一だという。*1

いずれも保守派とみられる読売と産経が高齢社会について論じたが、2紙の高齢者に対する考え方はかなり異なる印象を受けた。

 

読売は、65歳以上を高齢者に分類することについて、『国連が1950年代半ばに出した報告書』に由来することを紹介し、『当時では状況が異なる』として、『年齢にかかわりなく活躍できる機会を設ける』ことの重要性を強調した。リベラルな立場からすれば、高齢者の福祉切り捨てへの懸念があるかもしれないが、『年齢にとらわれず、意欲や体力に応じて、様々なことに挑戦できる社会』という読売社説の理念は素晴らしい。

 

いっぽう産経は、新型コロナから高齢者を守ることを主体に論じた。『新型コロナの死亡率は16日時点で80代以上17.8%、70代7.7%、60代2.4%』と、高齢者ほど死亡率が高くなっている事実は見逃せない。しかし、『何としても高齢者を守りたい』、『高齢者全員を思いやる気持ちを持ち続けよう』、『細心の注意でお年寄りを支えてほしい』など情緒的な記述が目立つように思う。一応『高齢者の活躍』についても述べられているものの、取ってつけたような感じがある。

また、『日本は高齢化社会だ。』という記述があるが、国連の定義によると、高齢者が人口の7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会とされる*2。新聞社を代表する社説なのだから、用語は正確に使用してほしい。

 

 

ゲーム依存

2019年5月から、『世界保健機関(WHO)は、アルコールやギャンブルへの依存症と同様に、ゲーム依存を疾病と位置づけている』。『厚生労働省研究班の2017年度の調査では、ゲームやネットに依存しているとみられる中高生は推計93万人』であり、日本でも患者は多い*3。令和2年度版の文部科学省の統計では、中学生・高校生とも約157万人であり、あわせて315万人程度だから、ゲーム・ネット依存生徒の割合は約30%だ*4

だが、『ゲーム依存症に対応できる病院や医療従事者の数が圧倒的に不足』しており、『国内で専門的に対応できる医療機関は100に満たない』うえ、治療のためのガイドラインもまだ作成中という。これら治療体制の整備とともに、読売は親の役割を強調し、『ゲームの持つ危険な面をしっかり伝え、生活や態度に変化の兆候がないか、常に目配りする必要』を訴える。

 

 

Q&A

Q.2020年時点で日本の65歳以上は過去最高の□人で『人口の□%、100歳以上は初めて□人を超えた。

A.3617万、29、8万

 

Q.厚生労働省研究班の2017年度の調査では、ゲームやネットに依存しているとみられる中高生は推計□万人である。

A.93万

 

 

リンク

読売:

https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200920-OYT1T50186/

https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200920-OYT1T50183/

産経:

https://www.sankei.com/column/news/200921/clm2009210002-n1.html